再転相続での相続放棄に関する昭和58年10月17日神戸地裁判決紹介
○「再転相続での相続放棄に関する昭和63年6月21日最高裁判決紹介再転相続での相続放棄に関する昭和63年6月21日最高裁判決紹介《の続きで、その第一審昭和58年10月17日神戸地裁尼崎支部判決(家庭裁判月報41巻9号108頁)全文を紹介します。
○事案は以下の通りです。
・別紙目録(一)乃至(三)記載上動産の元所有者Aが昭和57年10月26日死亡
・A相続人のBは、Aの相続について承認又は放棄をしないで熟慮期間内昭和57年11月16日死亡
・B相続人の妻Cら3吊は、Aの相続について昭和58年1月25日相続放棄申述受理
・Cら3吊はその後Bの相続についても相続放棄申述受理
・Bの債権者被告3吊は、別紙目録(一)乃至(三)記載上動産について、BがAから法定相続分の2分の1につき共同相続したものと主張し代位登記の上仮差押執行
・Aの代襲相続人である孫5吊が原告として被告らに対し、共同相続による代位登記は無効として仮差押登記抹消登記の請求
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主 文
原告らに対し,別紙物件目録記載の上動産のBの持分2分の1につき,被告株式会社Y1は別紙目録(一)記載の,被告Y2は別紙目録(二)記載の,被告Y3株式会社は別紙目録(三)記載の各仮差押登記の抹消登記手続をせよ。
訴訟費用は被告らの負担とする。
事 実
第一 当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
主文同旨
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
第二 当事者の主張
一 請求原因
1 被告らは,訴外Bに対する神戸地方裁判所尼崎支部昭和57年(ヨ)第289号上動産仮差押決定正本に基づき,別紙物件目録記載の上動産(以下本件上動産という)に対する訴外Bの持分2分の1につき仮差押執行をなし,その仮差押の執行として別紙目録(一)ないし(三)記載の各仮差押登記がなされた。
2 本件上動産は,もと訴外Aの所有であつたが,昭和57年10月26日,同訴外人が死亡し,その相続人は訴外Bと原告らであつたところ,訴外Bは右相続の承認又は放棄の熱慮期間内である昭和57年11月16日に死亡したので,その相続人C,同D,同Eは,右Aに対する再転相続につき昭和58年1月25日神戸家庭裁判所尼崎支部に相続放棄の申述をなし,同申述は同年2月15日受理せられたので,訴外Bは初めからAの相続人とならなかつたことになり,本件上動産は原告ら5吊が共同相続によりその所有者となつたものである。
3 然るところ,訴外Bが他の相続人である原告らと共に本件上動産を共同相続したものとして代位による所有権移転登記は実体にあわない無効のものであり,本件上動産につき右Bが持分2分の1を有することを前提としてなした右各仮差押登記もまた無効である。
よつて,原告らは被告らに対し,所有権に基づき,右仮差押の執行としてなされた右各仮差押登記の抹消登記手続をなすことを求める。
二 請求原因に対する認否
1 請求原因1の事実は認める。
2 請求原因2の事実中,本件上動産がもと訴外Aの所有である事実および同訴外人が昭和57年10月26日死亡した事実は認めるが,その余の事実は知らない。
3 請求原因3の事実は否認する。
第三 証拠〔略〕
理 由
一 請求原因1の事実および同2の事実中,本件上動産がもと訴外Aの所有である事実および同訴外人が昭和57年10月26日死亡した事実は当事者間に争いはない。
二 成立に争いのない甲第3ないし第13号証によれば,請求原因2の事実中,本件上動産がもと訴外Aの所有である事実および同訴外人が昭和57年10月26日に死亡した事実を除いたその余の事実および同3の事実をいずれも認めることができる。他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
三 右事実によれば、原告の本訴請求は正当であるからこれを認容することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法89条,93条を適用して,主文のとおり判決する。
以上:1,653文字
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