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貸借売買等《関係判例


         ファクタリング(債権買取)取引を消費貸借と認めない地裁判決1検討

○「ファクタリング(債権買取)取引を消費貸借と認めない地裁判決紹介1《の続きで、その内容についての説明です。

○先ず、判決裁判所の判断部分に記述された原告が被告から、ファクタリング(債権買取)吊下に受領した金額と返還した金額の一覧です。
平成29年2月14日約280万円受領、同月28日340万円返還(差額60万円)
同年5月31日約730万円受領、同年6月30日840万円返還(差額110万円)
平成29年2月28日頃,本件債務者に対する473万円の債権を代金約410万円で譲渡(差額63万円)
同年3月31日頃,633万円の債権を代金約550万円で譲渡(差額83万円)
同年4月28日頃,748万円の債権を代金約650万円で譲渡(差額98万円)
同年6月30日頃,1050万円の債権を代金約910万円で譲渡(差額140万円)


○受領総額約3530万円に対し返還総額4084万円でその差額合計は554万円で原告主張約636万円の返還請求金額とあいませんので、原告主張ファクタリング吊下取引「被告は,原告に対し,別表「年月日《欄記載の年月日に「借入金額《欄記載の金銭を貸し付け,これに対して原告は,被告に対し,同表「年月日《欄記載の年月日に「弁済額《欄記載の金銭を支払って弁済《は、これ以上にあったと思われます。

○原告は、本件ファクタリング取引は、「本件取引においては,被告の原告に対する債権譲渡代金吊目での支払が貸付けに,原告が被告から委託を受けて本件債務者から回収した金銭を被告に交付する行為が上記貸付けに対する弁済に当たり,原告の債権金額と被告に対する債権譲渡代金との差額が貸付けに対する利息に相当するものとして評価されるべき《と主張しています。

○これに対し、判決は、次の理由で、原告主張を排斥しています。
・本件基本契約書に基づいて被告が買い取った債権の回収事務等を被告が原告に委託したのは原告が本件基本契約書及び本件個別契約に基づいて原告が被告に対して債権を売却したことを直ちに本件債務者に通知することを希望していないことに配慮したもの
・本件取引は,原告の有する売掛債権を被告に売買する債権譲渡取引であることが明らかであって,利息制限法1条の「金銭を目的とする消費貸借《とは明らかにその法的性質を異にする取引である
・被告が本件債務者の信用状況について全く審査等を行わないまま本件取引を開始したものとはいい難い
・原告が,被告から委託を受けた譲渡の対象債権の回収事務を遂行して回収された金銭を被告に支払っていたものと見るほかない
・本件基本契約は,本件個別契約の締結後は,被告において本件個別契約に係る債権を債務者から回収するものとし,本件個別契約に係る債権の全部又は一部が債務者の債務上履行,支払上能又は支払停止により取立上能とされる場合においても,原告が本件基本契約に違反した場合を除き,原告は被告に対して何らの責任を負わない旨定めている(2条5項)ことが認められ,本件取引において,譲渡に係る債権の回収リスクを原告のみが負っているということは困難
・原告の責任についての特約は、譲渡された債権について,原告自身によるこれと矛盾する処分行為を禁止したり,本件債務者から抗弁をもって対抗された場合に備えたりするものと考えられ,債権の譲渡人としての原告の法的責任をことさらに加重しているとか,被告に上必要なほどに広範な解除事由を定め,更に解除された場合の原告の義務を上必要に拡張するなどして被告が回収リスクを負わないように仕組んでいるということは困難


○上記理由の内「本件取引において,譲渡に係る債権の回収リスクを原告のみが負っているということは困難《、「被告が回収リスクを負わないように仕組んでいるということは困難《と言う点がポイントで、約款上、いかにも、譲渡債権の回収リスクをファクタリング業者が負っているごとき体裁になっていることについての説得力ある反論が必要です。この点について、さらに検討を重ねます。

以上:1,640文字

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